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2016/12/10

韓国の新高速鉄道SRTの概要と、SRTとKTXの所要時間・料金比較!

こんばんは、韓国の政治動向と同じく、韓国の鉄道事情も気になるタケオです。
本日2016年12月9日、韓国で新しい高速鉄道SRT(Super Rapid Train)が開業しました。
そこで、今回はSRTの概要、そしてSRTと既存の高速鉄道KTX(Korea Train eXpress)との所要時間・料金の比較等について書きたいと思います。


目次
1. SRTとは?
2. SRT運行区間
3. SRT開業に合わせて建設された水西~平澤高速専用線
4. SRT時刻表
5. SRTのサービス
6. SRTはKTXと比較して14分の時間短縮
7. SRTの料金は対KTX比較で12~13%おトク
8. 仁川・金浦国際空港から水西・ソウル・龍山までの経路・所要時間・料金
9. 終わりに‐日本から来て鉄道を利用する際はKTXの方が便利


SRTとは?



SRTは、公的資金72.5%、民間資金27.5%の資金の下設立された株式会社SRが運営する高速鉄道です。


SRの株主構成・出資比率は以下の通りです。


KORAIL(韓国鉄道公社(한국철도공사)):41%
私立学校教職員年金公団(사립학교교직원연금공단):31.5%
IBK企業銀行(IBK기업은행):15%
KDB産業銀行(KDB산업은행):12.5%


SRT運行区間



SRTはソウル特別市(서울특별시)江南区(강남구、カンナムグ)にある水西駅(수서역、スソヨッ)から釜山広域市(부산광역시、プサンクァンヨッシ)の釜山駅(부산역、プサンニョッ)及び全羅南道(전라남도、チョルラナムド)の木浦駅(목표역、モッポヨッ)を結びます。
SRTの開業により、京畿道(경기도、キョンギド)華城市(화성시、ファソンシ)に東灘駅(동탄역、トンタンニョッ)、同道平澤市(평택시、ピョンテッシ)に芝制駅(지제역、チジェヨッ)が新設されます。
水西駅より芝制駅から少し先にある京釜高速線(경부고속선)接続点までは新設された高速専用線を走り、それ以降は既存の京釜高速線又は湖南高速線(호남고속선)を利用します。


SRT開業に合わせて建設された水西~平澤高速専用線


SRTの開業に合わせ、水西駅から平澤市内に位置する京釜高速線接続点に及ぶ61.1kmの高速専用線が建設されました。


61.1kmの内52.3kmは地下40~50mに掘られた栗峴トンネル(율현터널、ユリョントノル)を走るということですが、この栗峴トンネルは、スイスのゴッタルドベーストンネル(Gotthard Basistunnel)と日本の青函トンネルに次ぐ3番目に長いトンネルだそうです。


このような長いトンネルの建設があってか、総工費は3兆ウォン(約2,950億円)という巨額事業となっています。


※参考リンク
聯合ニュース2016年11月2日配信 「20分間暗いトンネルの中を走る水西~平澤間 KTXと同じようで違う(20분간 어두운 터널 달려 수서-평택 연결…KTX와 같은 듯 달라)」


韓国鉄道施設公団(한국철도시설공당)公式Youtubeチャンネル「水西高速鉄道広報映像(수서고속철도 홍보영상)」


SRT時刻表



SRTの時刻表がSR公式ウェブサイト上の下記リンクに掲載されています。
駅名がハングルだけでなく漢字・アルファベットも併記されているので、韓国語がわからない方でも解読できます。


SRT列車時刻表案内|SR


水西発釜山方面のSRTは全列車が釜山駅までの運行、木浦方面のSRTは、半数が光州広域市(광주광역시、クァンジュクァンヨッシ)の光州松汀駅(광주송정역、クァンジュソンジョンヨッ)止まり、残り半数が木浦駅終点までの運行になっています。


SRTの水西駅発車時刻はパターン化されているわけではありませんが、釜山駅行SRTは大体1時間に2、3本、光州松汀駅止まりSRTは1時間に1本、木浦駅行SRTは2時間に1本の割合で運行されます。


因みに、2016年12月9日現在のソウル駅発釜山駅行KTXは大体1時間に2、3本、龍山発光州松汀駅止まり・木浦駅行KTXは1時間に1、2本の割合です。


SRTのサービス



SRTの列車はKTX山川(KTX 산천)と同じ8両編成で、1+2列の特室(특실)1両、残り7両が2+2列の一般室(일반실)の構成です。
全てKTX山川の2次車であるB-Typeと同型の車両で運行されるため、全座席に電源コンセントが設置されていますが、既存のKTX山川B-Typeより、前座席との間隔が約5㎝広くなったのが特徴です。


2010年5月2日に釜山駅で撮影した、SRT運行車両とほぼ同型のKTX山川A-Type。
SRT運行車両は、写真の青色がワインレッド色になっています。


2016年6月11日にKTXに乗車した際に使用できた無料Wi-Fiは、SRT列車でも使用可能とのこと。



SRTはKTXと比較して14分の時間短縮



釜山・光州松汀・木浦へのSRTとKTXの平均所要時間を比較してみたのが以下です。
KTXはソウル駅(서울역)又は龍山駅(용산역、ヨンサンニョッ)からの計算です。
SRTの方が14分の時間短縮という結果になりました。


運行区間 ソウル・龍山発KTX(平均) 水西発SRT(平均) 短縮時間
釜山 2時間42分 2時間28分 14分
光州松汀 1時間57分 1時間43分 14分
木浦 2時間34分 2時間20分 14分


SRTの料金は対KTX比較で12~13%おトク



次に釜山・光州松汀・木浦へのSRTとKTXの一般室料金を比較してみました。
KTXの料金はソウル駅又は龍山駅発の計算で、全ての料金はそれぞれ韓国ウォンです。
SRTの方が12~13%安い結果となりました。


運行区間 KTX一般室料金 SRT一般室 運賃差額 対KTX割引率
釜山 59,800 52,600 7,200 12%
光州松汀 46,800 40,700 6,100 13%
木浦 52,800 46,500 6,300 12%




仁川・金浦国際空港から水西・ソウル・龍山までの経路・所要時間・料金



日本から飛行機で来てからSRTやKTXに乗る場合は、仁川国際空港(인천국제공항、インジョンクッチェゴンハン)及び金浦国際空港(김포국제공항、キムポクッチェゴンハン)から空港鉄道(공항철도)又は首都圏電鉄(수도권전철)で始発駅までの時間・料金も考慮する必要があるかと思います。


以下は仁川又は金浦国際空港からSRT・KTX始発駅までの行き方・所要時間・料金を記したものです。
尚、料金はTマネーカード(티머니카드)等の交通ICカード利用時を想定しています。


◎仁川国際空港駅~水西駅

使用路線:空港鉄道一般列車→ソウル地下鉄2号線(弘大入口駅乗り換え)→KORAIL盆唐線(往十里駅乗り換え)
所要時間:1時間55分程
料金:4,350ウォン


◎金浦空港駅~水西駅

使用路線:ソウル地下鉄9号線急行→KORAIL盆唐線(宣靖陵駅乗り換え)
所要時間:1時間程
料金:1,750ウォン


◎仁川国際空港駅~ソウル駅

使用路線:空港鉄道一般列車
所要時間:53分
料金:4,150ウォン


◎金浦空港駅~ソウル駅

使用路線:空港鉄道一般列車
所要時間:19分
料金:1,450ウォン


◎仁川国際空港駅~龍山駅

使用路線:空港鉄道一般列車→KORAIL京義・中央線(弘大入口駅又は弘徳駅乗り換え)
所要時間:1時間15分程
料金:4,050ウォン


◎金浦空港駅~龍山駅

使用路線:ソウル地下鉄9号線急行→首都圏地下鉄1号線(鷺梁津駅乗り換え)
所要時間:35分程
料金:1,450ウォン


仁川国際空港から水西駅までは2回の乗り換えが必要で、ソウル駅や龍山駅まで行くより倍近くの時間が掛かってしまいます。
料金については、違いは大きくありません。


一方、金浦国際空港からは、ソウル地下鉄9号線に乗ると、宣靖陵駅で水西駅を通るKORAIL盆唐線に乗り換えることができるため、9号線で10分間隔で運行される急行に乗れば、1時間程で水西駅に着くことができます。
それでもソウル駅や龍山駅まで行くのと比べてしまうと倍近く掛かってしまっています。
料金については、仁川国際空港からの場合と同じく、違いはさほどありません。


終わりに‐日本から来て鉄道を利用する際はKTXの方が便利


日本からソウルに来て、鉄道で地方都市に行く場合を考えますと、SRTとKTXを比較した際、個人的にはKTXを利用する方が便利だと思います。


理由はただ一つ、水西駅まで行くのに掛かる時間の長さに尽きます。
空港から水西駅まで行くのに、ソウル駅や龍山駅に行く時と比べて倍近く掛かるというのは、かなりのタイムロスです。
そして、始発駅までの移動に長時間掛かるということは、それだけ手荷物やスーツケースを引いて移動する時間も長く掛かるわけで、旅行において移動だけで疲労度が濃くなってしまうのはもったいないです。


12月9日以降のSRT及びKTXの時刻表を見ると、KTXの開業以降長距離高速鉄道輸送の全てを担ってきたKTXから、一部(25%程?)をSRTに移管したような形になっているので、日本からソウルを経由して鉄道で地方都市に行くのには多少不便になってしまった感があります。


但し、SRTの新設目的は、江南区を中心としたソウル特別市漢江以南地域住民を対象にした利便向上なので、海外観光客が割を被ってしまうのは致し方ない面があるかもしれません。


今後SRTとKTXが競争することで、運行本数や料金体系に変化が生じる可能性もあるので、これからのSRTとKTXの行方を注視したいと思います。


韓国での鉄道旅については、こちらの書籍もご参考に!