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2016/02/25

韓国発ニュースから考える、インターン制度をはじめとした韓国での就活現場の裏側と問題点

日本企業で広く行われている就活生のためのインターンシップ制度。
就活に有利だとして参加する就活生が多い一方で、この制度を利用して社員とほぼ同様の業務をさせる、所謂「名ばかりインターン」をさせる企業も少なくなく、問題視されています。

※参考リンク
2014年6月17日付マイナビニュース‐気をつけるべきは「名ばかりインターン」…いまどきインターンシップの実情


韓国においてもインターンシップ制度が広く普及しているようなのですが、問題も少なからず起きているようです。
今回そのことを知ることができるニュースに接しましたので、紹介します。
このニュースでは、インターン経験者とのインタビューを交えながら、韓国の就活生が就職活動で非常に苦労している現状を伝えています。

2016年2月25日付SBS‐インターン生はカモ?飲み会を断ったら突然「合格取り消し」(韓国語)


◎インターン先での接待の場を外したら、即座合格取り消し?


記者とのインタビューに応じたあるインターン経験者は、会社側から接待の場に参加するように言われというのですが、雰囲気に馴染めず退席したところ、インターン合格取り消しを通告されたとのことです。


인턴 합격 통보와 동시에 회사 측으로부터 황당한 제안을 받았다는 여학생,
インターン合格通知と同時に会社側から言い渡された提案に戸惑った女子大学生。

[청년인턴 경험자 : 갑자기 저녁 먹으러 가자면서, 제가 한 번도 가본 적이 없는 경기도로 데리고 가는 거예요, 저녁에.]
インターン経験者「突然食事に行こうと、私が1回も行ったことがない京畿道に連れて行くんですよ、夕方に。」

그렇게 거래처 접대 술자리에 나갔다가, 분위기에 적응하지 못해 먼저 자리를 뜨자 회사는 돌연 합격을 취소했습니다.
そうして取引先の接待の場に参加はしたものの、雰囲気に適応できず先に席を外すと、会社から突然合格取り消しを言い渡されました。

[청년인턴 경험자 : 태도나 이런 게 별로라는 거예요. 솔직히 뻔하잖아요. 그렇게 당한 거죠. 그때 좀 울었죠, 많이.]
インターン経験者「態度とかそういうのが良くないというんです。正直傷つきました。泣きましたよ、たくさん。」


◎インターンは会社の商売?


日本で言われている「名ばかりインターン」でもありそうな事例が、韓国にもありそうです。


회사 소속 아카데미에 돈을 내고 등록해야만 인턴 기회를 주는 곳도 있습니다.
회사가 사실상 장사를 하는 겁니다.
会社傘下のアカデミーに金を出して登録をすればインターンの機会を与えるところもあります。
事実上会社が商売をしているのです。

[중견기업 인턴 1년 경험자 : (아카데미에) 등록한 학생들에 한해서 (인턴으로) 데리고 오는 거였어요.]
中堅企業1年間インターン経験者:「(アカデミーに)登録した学生のみ(インターンに)参加させるということでした。」

어렵게 인턴에 합격해도 제대로 대접받지 못하는 경우가 많습니다.
様々な苦労を経てインターンに合格しても、期待した待遇を受けられないことが多いです。

[그냥 쓰다 버리는, 그런 1회성의 사람, 인턴을 뽑는 거죠.]
「ただの使い捨て、一回性のインターンをするということですよね。」

[(회사들이) 저희들 아이디어를 착취해서 가져간다는 생각이 들 때가 많았거든요.]
「(会社が)私たちのアイディアを搾取して持ってくのではと思う時が多かったです。」


◎「光脱」


インターンにいくら応募しても、書類審査さえ通過できない例が多いようで、このことを「『光』の速度のように早く『脱』落する」ということから、「光脱」という言葉まで出てきたということです。


자기소개서를 온갖 스펙으로 꽉 채워넣어도 인턴 시험조차 통과하지 못하는 젊은이들도 많습니다.
自己紹介書を全てスペック(就職に必要な学力・言語能力・資格等の総称)で埋めても、インターン試験さえ受からない若者たちもたくさんいます。

그래서 빛의 속도로 떨어진다는 뜻의 '광탈'이라는 자조적인 표현까지 등장했습니다.
このように、光の速度で落ちるという意味の「光脱」という自嘲的表現まで登場しました。

[대학 4학년 취업준비생 : ('광탈' 아세요?) 네, 많이 당해봤죠. 자기소개서는 수십번 쓰는데, 면접까지 간 적은 거의 없어요.]
大学4年就活生:「(光脱という言葉をご存知ですか?)はい、たくさん傷つきましたよ。自己紹介書を何回も書いたのに、ほとんど面接に行けませんでした。」


◎就職が難しくなり、韓国の若者の未来や希望は小さくなるばかり?


ニュースのまとめとして、明るい未来が見通せない韓国の若者の心情を伝えています。


취업의 문턱을 넘는 게 하늘의 별 따기만큼이나 어려워진 시대, 청춘들이 그리는 미래와 희망은 작아지고 소박해졌지만, 더없이 간절합니다.
就職の門を開くのが非常に難しくなった時代、若者たちが描く未来と希望は小さくなり素朴なものになりましたが、極まりなく切実です。

[저는 제 미래가 밝은 것도 욕심이라고 생각해요. 그냥 어둡지만 않았으면 좋겠어요. 그냥 그거면 된다는 생각….]
「私は自分の未来が明るいとのも高望みだと思っています。ただ暗くなければいいと。ただそれだけいいと。」


◎まとめ:ニュースから推察できる韓国社会(だけでなく日本社会にも当てはまると思われる)の問題点


このニュースから推察できる問題点としては2つあります。

1つ目は、会社が、就活生より立場が上であることを利用して、就活生を多くの時間働かせたり、実情に合わない責任を負わせている実態があること。

2つ目は、韓国社会全体において(自分の経験から日本にも言えることだと思っていますが)、特定の才能に秀でていない限りでは会社・公共機関・自治体への就職の道のみが理想とされており、組織の雰囲気に適応するのが恐らく不得手であろう人まで就職を目指さざるを得ないほど、この価値観が固定観念化してしまっていることです。

韓国社会が、千差万別である人たちが暮らす社会において、もっと多様な価値観が認められる社会になることを願うばかりと思わせるニュースでした。